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生まれて,すみません - 2010年LLイベント「LL Tiger」振り返り

生まれて,すみません - 2010年LLイベント「LL Tiger」振り返り

生まれて,すみません。

 

これまで罪の多い人生を送ってきました。

 

2009年のLLイベントでは,LLフィーリングカップルというセッションを企画しました。t-wadaさんやJPAの牧さん,個々一番さん,郷田まりこさん,ふるさわとおるさんなど,一線級のエンジニアを呼びながら開発の話を一切させず,恋愛とか職場における男女差みたいな話ばっかりさせました。べにぢょさんまでも引っ張り出して,その上LLと全然関係ないというセッションでした。本来ならそこで気づくべきだったのだと思います。「LLと関係ないセッションをLLイベントで企画してはいけない」のだと。

2010年のLL Tigerでは,僕は「LLと電子出版」というセッションを企画しました。

いいえ,LLと電子出版には,本来は大いに関連性があるのです。たとえば,書籍を電子化する際のフォーマットの変換にはLLは大活躍していますし,森田さんのIdeoTypeでは実装にLLを使っていたり,高橋さんが立ち上げた達人出版界ではRuby on Railsで編集システムを作っています。ASCIIの使っているEWBでは過去にPerlを使っていたことがある。Sphinxとかモロ関連性あるし。

そもそも,このセッションの背後にあったのは個人的な「危機感」でした。売れるかどうかわからない微妙な先端技術を扱った書籍が発行される機会が,徐々に減ってきているのです。過去10年ほどを振り返ると,LL関連の書籍と,技術の盛り上がりは表裏一体の関係にあったと思います。認知度の高くない技術や言語の書籍が出版されることによって,開発者の注目を集める。逆に,急激に開発者の注目を集める技術にかんする書籍が世に出て,信頼性の高いドキュメントが蓄積する。この相互フィードバックが,LLを巡る世界が前に進む原動力の一部になってきたような気がしています。その構図が,出版不況などを背景に崩れようとしている。必要なのはビジネスモデルの変革で,電子出版は我々が先進的な技術に関する良質なドキュメントを手に入れる機会を増やすに違いないし,多くの人が電子書籍を読める端末を持っているLL開発者なら,世界を変えるためにできることが多いはずだ。

セッション自体は,普段聞けない話題ばかりで十分に面白かったと思います。しかし,企画者のもっと強い動機付けがあれば,セッションの内容はよりLLに近寄っていたかも知れません。

 

そして,殺伐Pythonです。

ライトニングトークのトーナメント戦を行うという前代未聞の企画に,Pythonの人として一石投じなければならないと思いました。募集が始まったとき,僕は渋川さんにメールを出したのです。「LTの虎に出てみませんか?」と。そしてPython界最強のLTチーム「殺伐Python」が結成されました。

いいえ。僕がメールを出さなくても,彼らは出ていたかも知れません。いや,絶対出場していたでしょう。僕が謝りたいのはそんなことじゃないんだ。準決勝で,moriyoshi君と竹迫さんが最高の戦いを繰り広げていたとき。僕はスタッフとしてモニタの切り替えを行うため,竹迫さんの隣に座っていた。竹迫さんは発表でPCのキーボードを操作する必要があり両手がふさがっていて,マイクは僕の手に握られていた。そんな状況で,moriyoshi君を勝たせるために,僕にできることはたくさんあったはずだ! なのに僕は,竹迫さんのすばらしいプレゼンを横で見て,ただ爆笑するばかりだったなんて。

みなさん,ほんとうにごめんなさい。地球の温暖化とか,地域紛争とかも多分僕のせいです。そのうえ僕はリア充気味なので,もう本当に爆発したほうがいいかもしれません。本当にごめんなさい。

 

注:LTの虎の運営は,公平を期して行われましたことを注記しておきます

2010-08-27 04:54