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最低限,相手に伝わる英語の発音を身につけるためには「フォニックス」が近道

最低限,相手に伝わる英語の発音を身につけるためには「フォニックス」が近道

国際線に乗っていたとき,機内サービスで「コーヒー」を頼んだらなぜか「コーラ」が出てきたことがあります。「coffee」をローマ字読みで読むと,ネイティブの人は最初の「コー」を聞いた瞬間「コーク」と認識するんだそうです。「カフィ」と発音すると,相手は「カ」を聞いた瞬間にコーヒーと分かってくれます。

「allow」は「アロゥ」じゃなくて「アラゥ」ですし,「said」は「セィド」じゃなくて「セド」。英単語を「文字通り」に発音してもたいていは通じません。文字から発音が予測できないとしたら,単語ごとに綴りと発音を別々に覚える必要があるのでしょうか。だとしたら,英語ってなんて面倒くさい言語なんでしょう。

綴りと発音のロジックを教えてくれるフォニックス

実際には,綴りと発音の間にはある程度のルールがあります。そのルールを教えてくれるのがフォニックスです。たとえば,「coffee」の「o」のようにアクセントのある「o」は口を指が3本入るくらい大きく開けて「ア」と発音します。「top」「copy」「job」の「o」も全部指三本の「ア」です。ここまで読めば,「object」はどんな風に発音すればいいか分かりますよね?

フォニックスはもともと,英米語を話す国の初等教育で取り入れられている教育方法の一つです。子供向けのプログラムですが,英語を学ぶ日本人にも効果があります。第二外国語を学ぶ人の学習過程は,子供が母国語を学ぶ課程とよく似ていることが研究で実証されているそうです。

フォニックスは,綴りと発音の関連性だけでなく,基本的な発音の方法についても教えてくれます。「apple」の「a」の音,いわゆる「アとエの中間音」は口角をあげて口を横に開いて発音するとか,日本人が苦手な「r」の発音は舌を丸めるだけでなく口をすぼめるとか。音だけでなくて口の形や舌の動かし方,息の出し方など,かなり基本的なところから発音の秘密を知ることができます。

ヒアリング能力も向上するはず

「英語は読めるけどヒアリングが苦手」という人がいます。そういう人はたいてい,耳から聞いた英語と,自分が知っている単語が頭の中で結びつかないのです。

文字と発音のロジックが分かれば,頭の中で発音された単語と頭の中の単語が結びつくようになります。発音できない単語は聞き取ることもできません。逆に言うと,発音の練習をすることでヒアリングの能力も向上するわけです。発音できる単語は聞き取れる,ということも,研究で実証されているそうです。

「walk」と「work」みたいに日本人にとって聞き分けづらい単語も,フォニックスを知れば発音の違いが分かって,聞き取れるようになりますよ。

勉強の仕方

CDつきの書籍がいくつか発売されています。CDを聞きながら,たとえば毎晩ちょっとづつフォニックスの練習するなどすると,独習ができます。

確実な効果を求めるなら,英語学校に通うなりした方がよいと思います。独習では成果のチェックに限界があるからです。経験のある先生にチェックしてもらうことで,学習の効果をより高めることができるはずです。

私の場合は,発音の善し悪しが勉強のモチベーションに大きく関わると思ったので,本を買ってさらに通っている英語学校のフォニックスのクラスを履修してみました。この学校は発音矯正の上手な先生が多くて,すごくためになっています。

発音の練習は顔の筋トレ

英語を構成する音には,日本語にない音がたくさんあります。「l」と「r」や「s」と「sh」のような聞き分けづらい音や,「アとエの中間音」「口を横に広げるイ」。日本語では使わない筋肉を,英語ではたくさん使います。

発音の練習をしていると,だんだんと口の周りの筋肉が発達してくるはずです。私は以前できなかった「えくぼ」ができるようになりました。発音の練習をすると,表情が豊かになって好印象になるかもしれませんね:-)。

2010-08-27 04:46