Python 2の妹,Python 3があんま流行ってないのは率直に言ってツン過ぎるからですね。どの程度ツンかは妹の発言を見れば分かります。
- 「 パパに言ってモラトリアム宣言してもらったから。私の言語仕様はもう完璧なの。もうあんた達にself無くせみたいなバカな提案させないからねっ」
- 「サードパーティモジュールとかフレームワークとかキモい。完璧な私を素で使いなさいよっ」
- 「ネットとかファイルから拾ってきたデータなんてただのバイト列よ。文字列にしたかったらエンコードを指定しなさいよねっ」
- 「Djangoとかキモい…。私にはNumPyさんがいるからいいの。でも最近Pyramidがすり寄ってきてウザい…」
ところが,最近,なんか事情が変わってきていて,こんなこと言い始めました。
- 「まっ,まあいいわよ,u"〜”も文字列リテラルとして認めてあげるわよ。だからあんたたちはキリキリと3に移行を進めなさいよねっ」
- 「パッケージのインストール手法はまだカオスだけど,vertualenvっぽいものは安定してるみたいだし標準で用意しといたから。ほらっ,タイプしやすいようにvenvって短くしといてあげたからねっ…///」
- 「パパがモラトリアム解除したからって,self無くせとかバカな提案しないでよねっ」
- 「NumPyさんがやっぱり本命だけど,最近Djangoさんもいいなって…。WxPythonさんも気になるな…///。でもPyramidはZopeとか言ってて相変わらずウザい…」
というように,妹はバージョン3.3から完全にデレ期に移行を始めたと言っていいでしょう。完全に何かのフラグが立った感じです。短期的に見て,仕事で使ったりするのなら,ヤンデレのPython 2を推すしかない現状ですが,姉は病み過ぎてディスコンが決まってますので,この先セキュリティホールみたいに死に至る病を抱え込む前に妹に移行しないと,早晩ゲームオーバーになってしまいますので注意が必要です。まあ他のLLに目を移しますと,たとえばPerlは変態言語Haskellに途中陵辱されながら難産の末に生み出された妹があまりにも姉と違いすぎて未だにコミュニティがヤンデレの姉を推し続けてますし,PHPは6という妹がなかったことにされてヤンデレの姉5がヤンデレ度の少し低い妹を探す旅に出るっていうストーリー展開に破綻をきしていますし,Rubyは,えーと,えーと,「バージョンって言い方なの?」って体制が病あーりんアイドルだからプログラミングとか分かんない\(^o^)/。どの言語もヤンデレに汚染されているという状況には変わりないんですが,Pythonは出口があるという意味で少しだけマシなのです。
で,結局なにが言いたいかというと,今はPython 3を学ぶのにちょうどいいタイミングだから「みんなのPython」を改訂しました,ということです。
「みんなのPython 第三版」では,内容をPython 3に合わせて書き換え,Python 3のプログラミングスタイルを迷いなく学べるようにしました。例えば,文字列周りとかほぼ全書き換えです。その上で,Python 2と大きく変わった部分にはそれとなく解説を入れて,両者の違いが分かるようにしてありますし,巻末には付録としてPython 2の解説を添えてありますので,Python 2から使い始めてPython 3に移行したい人にもお役立ていただけるように配慮してあります。また,サンプルコードを増やしました。標準ライブラリの説明も,メール関連落としてデータ構造増やしたりjsonみたいなイマドキのモジュールを解説したりしてます。
また,今回豪華レビュアー陣にレビューをお願いしました。稲田さん,北原さん,中西さん,言わずと知れたbook.asahi.comの中の人林さん,ドキュメント翻訳ばりばりやってる高瀬さん。細かいところまで読み込んでいただいて,数々の有益なアドバイスをいただいたレビュアーの皆さんには,この場を借りて改めてお礼いたしますm(_ _)m。
内容的なボリュームは増えましたが,Python 3が言語としてシンプルで一貫性を増していることもあり,ページ数は若干減ってます。なお,お値段は据え置きとなっております。
まあでも変更部分で一番目立つのは表紙かも:-)。とても素晴らしい表紙で,担当編集者の方には大変感謝しております。
というわけで,書店でお見かけの際は,ぜひお手に取って内容をご確認ください:-)。