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新著「みんなのIoT」は,いちばん分かりやすいPython入門書です

新著「みんなのIoT」は,いちばん分かりやすいPython入門書です

「みんなのPython」はおかげさまで大好評を頂いているようで本当にありがとうございます。外国語版が出るとか出ないとかいう話があって,渾身のネタの数々がどう料理されるのかが目下の感心どころです。

「わかりやすい」「読みやすい」と好評を頂いているみんPyですが,たまにプログラミング初心者には難しい,というご意見を頂くこともあります。それが気になっていたので,プログラミング経験がなくてもエントリーしやすい万人向けのPython入門書を書きました。

みんなのIoT

9割くらいの人は何を言っているのか分からなくて口をあんぐりと開けてると思うけど,まあおじさんの話をもう少し聞いてくれ。「IoTと言えばハード」と考える人が一定の割合いると思う。それは少し合ってるけど概ね間違いだ。なぜならハードをコントロールするにはソフトウエアが必要だからだ。最近は指先大のセンサーにも通信用のソフトが内蔵されている。純粋なハードウエアなんてほとんどないのだ。世界はソフトで動いている。ハードだけだとIoTデバイスから送られてくるデータをAIに繋げられない。電子工作失敗すると高いしヘコむしはんだはカメムシ臭い。回路を設計するために必要となる論理的思考を,痛みが少ない状態で失敗しながら学べるプログラミングで獲得するのだ。そのためにおじさんは「プログラミングとはなにか」ということについて,初心者にも分かりやすいように一生懸命説明を書いた。昔初心者だった頃のことを思い出しながら書いた。

Python+IoT本なので当然Raspberry Piを使うんだけど,ラズパイはとりあえず買う必要がない。Anacondaをインストールしてある人は,「pip install miniot_7seg」してノートブックを開き,「from miniot_7seg import *」してから「start()」「on(0)」してみてくれ。↓なのが表示されてパソコンだけでIoTな雰囲気を味わえるようになっている。

おじさんJavaScriptで頑張っただろ。書籍で使ってる温湿度センサー用ライブラリだって,センサー繋がってなかったらスクレイピングして温度と湿度取ってくるぞ。インターネットは広大なセンサーなのだ。

何かを学ぶために必要なことは何だ? そうだ,モチベーションだ。IoTを体感してもらうための仕組みを満載したのも,すべては読者のみなさんにモチベーションを高めて欲しいからだ。書籍の最初の方には「IoTってすげえ」って思ってもらえるように魂込めて書いた文章が載ってるぞ。書籍を書くに当たって若い子にリサーチしたんだけど,みんなけっこう「ムーアの法則」とか「チープ革命」知らないんだよ。歴史知らない人でも,正しい文脈でIoTをとらえられるように,おじさん頑張って原稿書いたぞ。10年ぶりくらいの完全単著だしガッツリ子育てしながらだしでいろいろ大変だったけど。Raspberry Pi買ったり電子工作するのは,モチベーションを高めた後で十分だ。

プログラミングとは何だ? データと繋がり操るための最高の道具だ。人間は情報を取り込んで体系化したいという根源的な欲求を持っている。Wikipediaでアイドルとか声優とかアニメとか特撮とか戦国武将とか歴史の情報が異常に充実しているのはそのためだ。「情報への欲求」は「食欲」「睡眠欲」「性欲」に次ぐ第四の欲望だ。

チープ化で安くなりあまねく世界へ広がってゆくネットワークレディなデバイスは,データの入口となって人間の知覚を拡張してくれる。インターネットが我々に外部記憶をもたらしたように,IoTは我々の環環境の外部に無限に広がる拡張された認知をもたらしてくれるはずだ。その情報を操るために必要なのがプログラミングだ。「みんなのIoT」を読んで,そんな未来の一端を感じてくれたらおじさん嬉しいぞ。

プログラミングの学習から始まり,IoT制御,AIやデータサイエンス,果ては重力波の検出にまで使えるPythonは,情報への欲望を満たすために用意された最高のツールだ。Pythonを使いこなして未来への旅へ出よう。

2018-02-15 12:00