元記事 : Farewell To Microsoft
IronPythonを開発していたJim Hugnin氏がMicrosoftを去り,Googleに行くようです。
彼はJava VM上でPythonの実行環境を実装したJythonの作者でもあります。Microsoftで氏は,IronPythonだけでなく,.NET上で軽量言語を走らせるためのDynamic Language Runtime (DLR)も作っていました。IronRubyなどもDLRの恩恵があって実装されています。
また,ほぼ同時に,MicrosoftがIronPython,IronRubyへの直接投資を打ち切ることも発表されています。今後の開発はコミュニティに委ねられるようです。また,IronPythonのチームはSilverlightの開発にも深く関わっていたはずで,筆者は影響は大きいのではないかとみています。
Hugnin氏は,Microsoftのオフィススイートの使いやすさを褒めながら,同社のクラウド戦略について批判めいたことを書いています。彼の転職には,自信のキャリア形成を考えたとき,Googleで働く方がよりよい結果を生む,という判断があったのかもしれません。
IronPythonとJythonを作りJavaと.NETを知り尽くした天才がGoogleに転職することは,Pythonにとっては喜ばしいことだと思います。個人的には,Hugnin氏にはPythonの高速化に携わって欲しいと思っています。
余談
PyConで彼のトークを何度か聞いたことがあるのですが,かなりの早口で最初はほとんど聞き取れませんでした。リスニングスキル向上のモチベーションになりましたけど:-)。2007年のPyJUGイベントでHugninさんを呼べないかとMicrosoftの方にお願いしたことがあったのですが,実現しませんでした。またお呼びする機会があるかな...?