人はいかに学ぶか - 日常的認知の世界
本書を読む読者のたいていは,冒頭で頭をガツンと叩かれる。多くの人が常識として抱いている「人間はすべからく怠け者で,強制しないと学習しない」という学習感を「伝統的な学習感」と名付けて否定されるからである。
著者は,様々な実例を紹介しながら,そのような伝統的な学習感が多くの場合間違っていて,人間とはいかに自発的に学習し,クリエイティブでありつつげるかをひもといてゆく。人間は生まれたときから世界と関わりたいという欲求を持っている。日常生活や学習の機会を通じて物事と関わりながら,時にはつまづいたり間違い,根底にある法則を見つけ,学習を進めてゆく。読者は丁寧に分かりやすく解説された教育心理学の研究成果を吸収しながら,徐々に「本当の意味で効果的な学習とは何か」について知り,確信を強めてゆくはずだ。
本書の最後では,次のような実例が紹介される。一年生の学級で引き算の指導をしようと,次のような問題を出した。「男の子が十二人,女の子が八人います。どちらが何人多いでしょう」。
これは,比較問題とよばれ,分離問題(「男の子が十二人います。そのうち八人帰ったら,何人残るでしょう」など)よりかなり難しいことが知られている。
この問いに対し,大部分の子供は,これを正しく引き算ととらえ,「男の子が四人多い」と答えたが,五人の子供は,足し算ととらえ,「二十人」と答えた。そしてその中の一人は,その理由として男の子十二人から女の子八人を取ることができないではないか。だからこれは引き算ではない」と主張した。
この主張に対し,引き算組の子供は反論に詰まった。が,そのうち実際にやってみようということになり,男子十二人,女子八人が黒板の前に二列に並んだ。その結果,「やっぱり引き算でいい。十二人引く八人の十二人は男の子で,引く八人も男の子。でも八人の男の子は女の子と手をつないでいる男の子なんだ」という意見が出,皆,納得したのである。
これは,比較問題とよばれ,分離問題(「男の子が十二人います。そのうち八人帰ったら,何人残るでしょう」など)よりかなり難しいことが知られている。
この問いに対し,大部分の子供は,これを正しく引き算ととらえ,「男の子が四人多い」と答えたが,五人の子供は,足し算ととらえ,「二十人」と答えた。そしてその中の一人は,その理由として男の子十二人から女の子八人を取ることができないではないか。だからこれは引き算ではない」と主張した。
この主張に対し,引き算組の子供は反論に詰まった。が,そのうち実際にやってみようということになり,男子十二人,女子八人が黒板の前に二列に並んだ。その結果,「やっぱり引き算でいい。十二人引く八人の十二人は男の子で,引く八人も男の子。でも八人の男の子は女の子と手をつないでいる男の子なんだ」という意見が出,皆,納得したのである。
教師から,その日の勉強で一番みんなの役に立ったのは誰かと問われたとき,子供たちは一斉に「男の子から女の子は取れない」という「まちがった」理由を出した子供の名前をあげたのだった。
最初から答えを押しつけるのではなく,また間違いについて子供たちに考察させることによって,比較問題とより難しいとされる分離問題についてより深く考察できた。能動的な学習がより深い理解をうながすというわけである。
本書は同著者の手になる「知的好奇心」「無気力の心理学」の続編とされている。どちらも絶版となっているが,よりアカデミックで,一般的な話題を扱っている。この書籍を読んで興味を持たれたらぜひAmazonなどから手に入れてこちの二冊も読んでみるとよいだろう。
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<12から8をひいて4→40と4で44>
<52から2をひいて50→50から6をひいて44>
簡単に暗算できるものですが、計算を「ひたすら練習」するのではなく、式の意味をよく理解させるのが狙いだそうです。こういったクリエイティブ思考を持つ教師に恵まれていたら、私も今ごろプログラマになっていたかも…(笑)
生徒の自主性を重んじる授業をするためには,理解がある教師が必要なんですよねぇ
>私も今ごろプログラマになっていたかも
プログラマの思考というのはかなり特殊なので,あまりお勧めしません(笑)
mikiさんは十分クリエイティブだと思いますよ! こっちに来てはいけません!!
そこが、問題なんですよねぇ…。
>mikiさんは十分クリエイティブだと思いますよ!
うれし〜、ありがとうございます!:)
>こっちに来てはいけません!!
ひえぇぇ!!!