発売前に献本いただいて,ブログでの紹介が遅くなってしまいました。
内容の確かさについては,いろんな方がブログで書いていますし,今更僕が書く必要はないと思います。Pythonを覚えて日常的にPythonのコードを書くようになった人が「次の一歩」を踏み出すために必要なベストプラクティスが沢山書いてあるので,高みを目指すPythonistaはみんな読むべし:-)。
そして翻訳者として名前を連ねてる人たちがすご過ぎる。まず翻訳チームのリーダーと目される稲田さんは,本当によくPythonのことを分かっている人。Pythonのドキュメント翻訳に関わっていて前から名前は存じ上げていたのだけど,勉強会によく来てくれて,その時話してみて「この人の頭の中にはなにがPythonicかということがきっちり整理されてるんだなあ」という印象を強烈に抱いたので,gihyo.jpてPython 3.0 Hacksというシリーズ連載をしたときに著者に加わっていただいたり,7月31日開催の今年のLLイベント(LL Tiger)でPythonのLanguage Updateをお願いしたりした。渋川さんはPythonだけでなくてXP方面などでも活動してるみたいなので知っている人も多いかも。彼が学生の頃からオープンソースのコミュニティを通じて知っていて,相変わらずバイタリティがあるなあと思う。この書籍の編集をされていた鈴木嘉平さんと先日お会いしたとき「Pythonistaって筋肉質ってイメージがある」などと言っていたのですが,それはきっと渋川さんのせいだと思います。清水川さんはずいぶん長いことZope/Ploneのコミュニティで精力的に活動されてますね。森本さんも今はZope/Ploneのコミュニティで活動してるのかな? 最近LLイベントの実行委員で見かけないけどまあ元気そう:-)。みんなそれぞれ,Pythonへの愛にあふれた素晴らしい技術者だ。
内容の良さもさることながら,僕が本を読んでしみじみ思ったのは,「次の世代」が確実に育ってきているんだなあ,ということ。もちろん,書籍を書いたり翻訳したりすることが「すばらしい技術者としてすべきこと」の全てではないわけだけど,僕なんかより一つ若い世代が,わいわいやりながらこういう翻訳書を作り上げてしまうのをTwitterなどを通して目の当たりにすると,日本のPython界も,一時期に比べるとずいぶん層が厚くなったなあと思う。翻訳本ではなく,純粋な和書,つまりすべてオリジナルの書籍として,こういう本を書く人たちが出てくるのが次の段階かなあ,と思った。