PythonにはPEP8という公式のコーディングスタイルがあります。このスタイルに従うことで,Pythonの思想「誰にとっても明確な手法が,一つだけあることが好ましい(There should be one-- and preferably only one -- obvious way to do it)」に沿った,見やすいコードを書くことが出来ます。
読んでみると分かるのですが,変数や関数,クラスなどの命名規則から,どこに空白を入れろとか改行を入れろとか,かなり細かく記述があります。それぞれの規則にはちゃんと理由があって,出来る限り守った方がコードが見やすくなるのは確かなのですが,全部を覚えるのは大変です。
ソースコードがPEP8通りに書かれているか,チェックするツールがあります。そのものずばりの名前「pep8」 というツールです。
このコマンドにPythonのソースを与えると,PEP8から外れた部分を指摘してくれます。
「$easy_install pep8」でインストールして,早速使って見ましょう。手元にある100行ほどの短いソースをチェックしてみます。
$ pep8 moblog.py moblog.py:15:1: W291 trailing whitespace moblog.py:22:29: E231 missing whitespace after ',' moblog.py:39:1: E302 expected 2 blank lines, found 1 moblog.py:70:32: E225 missing whitespace around operator moblog.py:73:73: E202 whitespace before '}'
かなり前に書いたスクリプトだからか,結構出ますね。
オプションを加えると,該当行のソースと場所を表示してくれます。
$ pep8 --show-source moblog.py moblog.py:15:1: W291 trailing whitespace ^ moblog.py:22:29: E231 missing whitespace after ',' subj = unicode(subj_l[0],enc).encode('utf-8') ^ moblog.py:39:1: E302 expected 2 blank lines, found 1 def add_moblog_entry(msgbody,blogbase,passwd): ^ moblog.py:70:32: E225 missing whitespace around operator urllib.urlopen(blogbase+'images/invokeFactory',dt) ^ moblog.py:73:73: E202 whitespace before '}' 'filedata':str(img.get_payload(decode=1)) })
細かな規則を,文章を読んで覚えるより,コードを書きながら実践的にPEP8の規則を学んだ方がよいかもしれません。