デブキャン の予習の意味もあって Zope 3 Book を読んでいます。以前ちらっと流し読みしたことがあったので「読み返している」が正しいところかな。週三回，エアロバイクをこぎながらの45分は大切な勉強時間なのである。
「スキーマ」はうまく使えば便利そう。ZCMLは面倒だなあ。一通り読んだら，Zope3のアプリとかORMapperを作ってみよう。
技術としては純粋におもしろうなので，勉強する価値は大いにある。が，技術的におもしろいという話と，Zope 3がお金になるかとか，Zope 3が市民権を得るかという話は別に論じられるべきである。
結論から言うと，Zope3が今のZope2レベルまで流行することはまずないと思ってます。
事実上，短期的にZope3がお金を稼ぎ出すケースは，Zope Corpが自前で取ってきた案件にZope 3ベースの新しいZ4Iを商品として納めたりするくらいかな。CPSを作ってるnuxeoがZope 3ベースでECMSを作っているみたいだけど，恐らくコスメ的にイケてないものになると思うので，Zope 2に対するPloneのような「キラーアプリ」にはなり得ないと思う。Zope 3ベースのECMSは市民権を得られずZope Corpとnuxeo案件で使われるくらいというのが予想される結末かな。お金になりづらいものを好んで使う業者は限られていると思うので，現在Zope 2が受けている以上に「キワモノ」扱いされることになると思う。実際のところ，Zope3で「作れる」と標榜されているレベルのアプリは，多くの場合はJavaとかPHPに流れるんだろうなあ。
海外でそんな感じだから，日本での状況は推して知るべしというところでしょう。千年王国が到来しないと無理。Zope 2.9くらいになって，Zope 2.xの一部分としてZope 3の機能を使う，というケースは，1年後くらいにはあり得るかも知れない。
Zope CorpにとってPloneというのは「目の上のたんこぶ」的な存在なんだとおもう。だって，Zope Coprが売っているCMS製品に匹敵する機能を持ったプロダクトを「無料」で配られたら商売にならない。しかも，PloneのベースになっているZopeやCMFの開発コストの多くをになっているのはZope Corp。Zopeの開発をしているZope Corp社員の給料を稼ぐためには，製品をどんどん売らなければならないのに，ZopeベースのPloneが邪魔をする。Ploneが流行ってZopeが注目されてもZope Corpにお金が落ちづらくなるという構図ができてしまっているように思える。Euro Zopeと同じヨーロッパにあって，CPSがいまいち広まらないnuxeoにしても，Zope Corpと似たような立場にあると思う。
Zope Corpやnuxeoは，対Plone(というかEuro Zope)対策として積極的にZope 3を推進する理由があるのでそうしているだけであって，周辺の開発者がそれにつきあう必要は全くないというのが私の立場。
某社の社長には，CTO時代にそういう話をさんざんしたんだけど，なんかよく分かってもらえなかったみたいだ。
