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古本を買う楽しみ

古本を買う楽しみ

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ネットでニッチな本を見つけて,それが絶版本だった時でも,最近はアマゾンのマーケットプレイスで簡単にかつ安く手に入れられるようになってとても便利になった。絶版本の中にはDTP以前に出版された本がある。DTP以前の書籍は行ってみれば職人技の結晶である。活字を一つ一つ拾い上げて版下をつくり,ほどよい具合にインクを乗せて圧力をかけて一つ一つの文字を紙に刷り込ませるように作るのだ。紙の表面をなぞると,文字のでこぼこを感じることができる。装丁も丁寧なことが多い。活版はDTPに比べて重版や版下の維持にコストが掛かる。本当に需要がある本はDTPに吸い上げられるんだろうけど,需要の閾値を超えられない本の場合は,ある時を境にそのまま絶版となってしまうことが多いと聞いた。活版技術はコンピュータの登場で失われてしまった職人芸の代表例だと思うけど,一方ではネットの登場のおかげで過去のマスターピースが手軽に手にはいるようになったというのはちょっと不思議な話だ。ちなみに,今読んでいるのはアンネの日記に彼らの隠匿生活の協力者として登場するミープさんの本。

2010-08-27 04:51