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2010ワールドカップ公式ボールジャブラニの軌跡は予測不能 - 風洞実験によって明らかに

2010ワールドカップ公式ボールジャブラニの軌跡は予測不能 - 風洞実験によって明らかに

英文の記事の超訳です。元記事はこちら(風洞実験の動画があります)

多くの選手が「動きが予測不能」と漏らしている2010 FIFAワールドカップ公式ボール「ジャブラニ」。研究者が風洞実験をしてみたところ,よく使われるサッカーボールに比べて予測不可能な軌跡を描くことがわかったそうです。

普通のサッカーボールは32枚の五角形と六角形のパネルを組み合わせて作り,つなぎ目に深い溝が刻まれています。ジャブラニは8枚のパネルから構成されていて,溝も浅く,表面には少し盛り上がった模様があつらわれています。

ボールに深い溝があると,ボール周囲の気流が乱されます。結果として抗力が減らされ,ボールはより早く,より遠くまで飛びます(ゴルフボールにディンプルがあるのも,より遠くまでボールを飛ばすため)。

蹴られた後,サッカーボールの速度が遅くなると,周囲の気流がボールの軌跡により大きな影響を与えるようになります。ボールの溝が浅い場合,ボールの周りに気流が多く発生し,軌跡が乱されてより予測不能な動きをみせるはず。同じ理屈で,風や回転など他の因子の影響も受けやすくなります。

カリフォルニア工科大学が風洞実験をしたところによると,ジャブラニの周りの気流はボールの半分を過ぎたところで弱くなっていることが確認できました。

とはいえ,ジャブラニはとりたてて扱いづらいボールということではなさそうです。風洞実験を行った航空学准教授のMcKeonさん曰く,「ボールが変わるたび,プレイヤーが慣れるまでに時間が掛かるということなのではないか」。

 

2010-08-27 04:54