PyCon2005
Up one levelPyCon DC 2005/1日目午前中
ワシントンDCで開催されているPyCon DC 2005に来ています。初日の午前中のプレゼンを速報モードでお知らせします。

まずは二つのキーノートスピーチから。
PyCon DC 2005 : Welcome and Oriantation

題名通りオリエンテーション的内容。Steve Holdenさんのお話。
今年のPyConの登録者は400人を超えたそうです。また,話の中でPSFの活動に触れ,python.orgのサイト,およびロゴをリニューアルしていることを話してました。yamベースでreStxで書いたコンテンツを静的書き出しするらしい。XHTML + CSSの今風のデザインになるらしいです。
Python on the .Net Platform

2ヶ月前にMicrosoftに電撃移籍したJum Huguninさんのお話。.NET上で動くPython実装であるところのIronPythonのお話。
2ヶ月前,IronPythonの0.6をリリースし,ちょうど0.7をリリースするところである,とのこと。デモを交えていろいろ話してくれましたが,そこそこ動いています。Visual Studioを使ってPythonのコードをデバッグするデモ,C#で書いて作ったdllをIronPythonから呼ぶデモなどを披露していました。
IronPythonはCPythonの2.4と比べpystoneベースで1.5倍くらい高速に稼働するそうです。.NET上で動き,Pythonのバイトコードをいったんマシンコードに変換する関係上,キャッシュのヒット率は下がるはずなのですが,周辺のガベージコレクタなどがうまく働いて高速化されているのではないか,とのこと。
State of Zope

Zope corp CTOのJim FultomさんのZopeのお話。Zope 3だけでなく,Zope 2と絡めたお話でした。
Zope 2.8は2005 Mayにリリース予定だとか。MVCCをサポートしたZODB 3.3ベースになり,New Style ClassベースのExtensiton Classが使えるようになる。2.7からの移行でまた一悶着ありそうだけど。
あと,Zope 2はZope 3のコンフィギュレーションの一種になるかも,と言っていました。
とりあえずかいつまんでということで。
あ,そうそう。Tシャツは余分にゲットしたので,プレゼントするかもしれません:-)。

- The URL to Trackback this entry is:
- http://coreblog.org/ats/608/tbping
IronPython 0.7出た
PyCon DC 2005/1日目午後
PyCon DC 2005初日午後の速報です。
各発表は30分ほどと短いですが,発表の後に「Open Space」を使ってより深いディスカッションをする,という形式でカンファレンスは進みます。
SchoolBell - Zope 3 based calendar server

Zope 3ベースの中規模実装としては割と有名なSchoolBell(http://schooltool.org/schoolbell)のお話。学校向けのカレンダーサーバです。Zope 3とTwistedをベースに作られています。
設計が柔軟で,登録した学生同士の「関連性」をオブジェクトのリファレンスとして表現できる層です。ちょとしたSNSみたいな機能を備えているようです。
matplotlib from Brain survey to Rocket Science

matplotlib(http://matplotlib.sourceforge.net/)という,数値データの解析およびビジュアライゼーションのモジュールの事例紹介。商用製品でそろえるとかなりの値段がするものを,Python+OSSなソフトを使ってツール類を構築しているということでした。
写真は,測定した脳波パターンをもとに画像処理を施しているところ。数値のビジュアライゼーションだけでなく,TeX形式の数式パーサを内蔵していて,これを元にしたグラフ描画および数式の表現にも対応しているそうです。
あ,そうそう,この人IPython使ってました。
Building Responsive GUI Web Application

「Responsive GUI Web Application」とは簡単に言うと最近話題のajaxなんだけど,ご本人はajaxという言葉を意識的に避けて,あるいは注意深く使っているようでした。
PythonベースのNevow(http://nevow.com/)というフレームワークの紹介。glucoseの安達君がアメリカ人だったらこんなかんじなのかな,と思いました。
Design Pattern and Python OOP

Python Cookbookの編者の一人でもあり,またPython in butsshell(http://www.oreilly.com/catalog/pythonian/index.html)の著者でもあるAlex Martelliさんの講演。Pythonを使ってデザパタを実現するための手法を,Coockbookにある実例を示しつつ紹介します。
PyPy and the Type Interface

スイス在住メンバーを中心に開発が進められているPyPy(http://codespeak.net/pypy/)の現状。Armin rigoさん。 PyPyとはPython自身の実装をPythonで行うという試み。 PythonのPython実装なのでむちゃくちゃ遅い(4000倍!)わけですが,言語の実行過程をそのまま見ることができるので,たとえばコードを元にアルゴリズムや遷移の視覚化などがたやすく行える。コードを食わせてアルゴリズムを視覚化したり,Pythonのモジュールの依存関係を図示したりといったデモをしていました。

また,実装は言語への依存性が低く(=多言語にも応用でき),かつ多言語のCode generationなどをさせることもできるそうです。
Localized Type-Inferencing in Python

Brett Cannonさんの英語は単語の切れ目がなくて聞き取りづらかった。ええと,Dynamic TypingなPythonの変数のタイプに制約条件を付けることで速くなるのかな?,というセッション。以下にプレゼンシートが公開されています。
http://www.python.org/pycon/2005/papers/11/PyCon%202005.pdf
Haskelには同種の機能が組み込まれているんだそうですね。知らなかった。
A Layered Event System to Provide Method Extensibility

Jim Fullton再登場。「イベントモデル」をPythonで実装するお話。Zope 3でも使われていますね。Zope 2ではフック関数が利用されていたのだけど,フックは設計変更に弱いなど柔軟性に欠ける反面,イベントモデルは比較的設計変更が柔軟に行えるという利点があります。Zope 3で使われているイベントはType specificで,一般的な「イベント処理」だけでなくセキュリティモデルの実装など様々な場面で利用されて行く予定だそうです(すでにそうなっているのかな?)。
Zope3のコードをみるにつけ,清く正しく「今風に」設計されているのね。慣れるまで面倒くさそうだけど。まあフルスクラッチならではということでしょうか。
途中で「もう一人のJim」であるところのIron PythonのJim Huguninからつっこみが入る。新旧Jim対決である。コンビを組んで漫才やって欲しい(やらないと思うけど)。

会場にはフリーのドリンクが用意されています。 ソフトドリンクの他にコーヒーも飲める。大学の構内なので,食堂などで軽くお食事することもできます。ボランティア運営であるにもかかわらず,至れり尽くせりです。
さて,明日はGuidoのKey noteがあります。何をしゃべるのか楽しみです:-)。
- The URL to Trackback this entry is:
- http://coreblog.org/ats/609/tbping
PyCon DC 2005/2日目
PyCon DC 2005二日目です。

ちょっと疲れ気味です。野暮用があったりしたこともあり,二日目はみっちり聞けていません(スイマセン)。写真は3階にあるTrack 2用の部屋。
The State of Python

Guidoのキーノートスピーチ。内容は盛りだくさんなので箇条書きに。
Pythonは力をつけている
- 利用者が一年で約倍に - 8%から14%に(InfoWorld調べ)。
- ビジネス利用における"P-Language"の台頭
- python.orgの訪問者は一年で29%増加
- PythonがJolt Productivity Awardを受賞
セキュリティフィックスについて
- SimpleXMLRPCServerについてセキュリティフィックスを受け,モジュールの脆弱性に関する窓口,およびスタッフを配置した
リリーススケジュール
- 2.4.1 RC2はPyConの後にリリース予定
- 2.5は次の年?
- 3.0に着いては不透明な部分が多いが,おそらく3年くらい後
Python 3000 - Python 3.0
- Python 3がリリースされても,Python 2.xはリリースされる
- Zope 3とZope 2の関係と同様,Python 3に実装された機能の多くはPython 2.xに実装されるだろう
- ただしPython 3はPython 2のバックワードコンパチではなくなる
- VM上で動くPython実装を考慮
以下,ここ最近MLなどで話題になったことについて触れていました。
- any(),all()の追加
- map(),filter(),reduce()は廃止の方向
- Q & Aで「map()はパフォーマンス的に有利だがそれでも廃止するのか」と聞かれ「リスト内包表記を速くすればいい」と答えていました。本当になくしたいらしい。。。
- lambda()廃止も検討
Static Typing
- 方針が明確に決まっているわけではない
- 導入には解決すべきことがたくさんある
- interfaceと一緒に導入すべきではないか
Guidoが現在所属するElemental Security(http://www.elementalsecurity.com/)は,4月5日にステルスモードから脱して市場に製品(またはサービス?)を投入するとのこと。
今回のプレゼンシートには「お子さんの写真」はありませんでした:-)。
PSF Question

Python Software Foundationのボードメンバー総出演。PSFの役割(ライセンスや法務関係の処理,お金の管理,助成事業やサイトなどのメンテナンス)について簡単に解説したあと,Q & A。JPUGの総会を思い出してしまった。
An Introduction to Building Chandler Parcels
PythonベースのPIMであるChandlerの解説と,「データタイプ(Parcles)」を追加する手法に関するデモ。

Chandlerはデータドリブンのアプリケーションで,ZODBに置かれるデータのタイプを設定し,それにひも付くインターフェースやイベントなどの設定をXMLで定義し,ハンドラとなるMethodをPythonで書くと,Chandler上で扱える「部品」を設置できる。会場では,flickerから画像を取り込むParcleのデモをしていました。

Keep it simple with Python Card

Kevin Altisさんの作っているPython Card(http://pythoncard.sourceforge.net/)についての発表。マルチプラットフォームで手軽にGUIアプリを作成でき,ロジックはPythonを使って書きます。PythonはWeb系のフレームワークもたくさんあるけど,この系統のフレームワークもたくさんありますね。

Python CardってHypar Cardのクローンを目指したものではなく,むしろVisual Basicを目指しているとのこと。簡単な複利計算ツールを 作って見せていました。
Durus - A Persistence System for Python

Object永続化ツール(http://www.mems-exchange.org/software/durus/)。パッケージもコンパクトで見通しがよいので,シングルスレッドのアプリで手軽にオブジェクトを永続化したいときに便利かもしれません。

というようにサーバプロセスとクライアントプロセスを動かします。
「ZODBほど高機能じゃないけど」のように,さかんにZODBを持ち上げる作者のキャラクターがよいです:-)。とはいえ,Pure PythonのB-Tree実装を内蔵していたりと,なかなかハイテクとみました。
Descriptors,Descorators,Metaclasses

昨日に引き続きAlex Martelliさんの講演。Pyhon Cookbookからかいつまんで要点を紹介する内容。細かい内容を書くより,公開されているプレゼンシートを見た方が早いかも。
http://www.python.org/pycon/2005/papers/36/pyc05_bla_dp.pdf
もうひとつAlexさんの「Iterators and Generators: It Ain't Your Gramp's Loop Any More!」のシートも公開されています。
http://www.python.org/pycon/2005/papers/37/pyc05_ite_dp.pdf
同行者によると,ライトニングトークやOpen Spaceがおもしろかったらしい。そっちを聞けば良かったかなあ。
以下,その他の会場の様子を簡単に。

で,これは書籍販売コーナー。あまり力が入っていないような。。。

PyCon 2005のスポンサーリスト。GoogleとかActive State,オライリーのロゴが見えます。

昨日は7時くらいまであったトラックも,本日は5時に終了。歩きながら市内観光したあと,スパニッシュを食べました。

- The URL to Trackback this entry is:
- http://coreblog.org/ats/610/tbping
Re: PyCon DC 2005/2日目
OSAF の Katie さんの写真、小さくて顔がよくわかんない!
Re: PyCon DC 2005/2日目
taharaさんらしき人が写っている写真にあるのは「セグエー(ジンジャー)」ですか?
乗ってみたいなぁ
Re: PyCon DC 2005/2日目
>yasusiiさん
あ,すいません
>masaruさん
そうです>セグウェイ
レンタルかと思ったら違ったようでした
世界中の都市をセグウェイを使ってまわっている途中とのことでした
PyCon DC 2005/3日目
PyCon DC 2005三日目です。

最終日。午前中と午後のLightning Talksの模様をお伝えします。写真はGiudoとお話ししているGregさん。
Python at Google

Greg SteinさんはApache FoundationのChairmanでもあります。
講演の内容に関してはPublic Domainな場所に晒してくれるなということなので詳しく書けません。
が,確実に言えることは,私が思っていた/認識していたよりもずっと,GoogleはPythonを重要な部分に使っているようです。しかも,複数あるスクリプト言語の仲間の中から,PerlでもなくPHPでもなく,またRubyでもなく,Pythonが選ばれて使われていて,Googleのパワーを支える重要な「ツール」になっているようです。
Python for Series 60

Pythonが使えるノキアの携帯端末「Series 60」のお話。OSはSymbianを使っていて,基本C++で開発するのだけど,開発効率が悪くてたまらない,といった理由でPythonをポートした,とのことでした。Symbian上でPythonが動くように移植をした,とのこと。Symbianってco-operativeなマルチスレッドらしく,いろいろ苦労したと言ってました。
Series 60上のPythonでは,socketやurllib,httplibやthread,reなど標準的なPythonのモジュールを利用できるそうです。加えて,端末固有の機能を操るAPIのPythonラッパーを持っていて,たとえばtelephoneモジュールをimportしてPythonから電話をかけるとか,内蔵のカメラを使って撮影する,といったことを実行できる。ただし,GUIラッパーはまだ不完全らしく,今後より充実させて行くとのこと。

実機を使って簡単なデモを披露してくれました。ただ,携帯電話でPythonのコードを打つのは大変らしく(あたりまえだ),PCと交信するアプリを使ってコードを打ち込んでいました。
Improving Python's Memory Allocator

Pythonのメモリ管理部分を最適化してメモリの使用効率を高めよう,というお話。発表者のEvan Jones(http://evanjones.ca/)さんはネットワークを研究する学生さん。
内容はとても濃く,Pythonがなぜメモリを解放しようとしないのはなぜかについて,実際のアルゴリズム(pymallocの)の解析結果を元に解説をしつつ改善方法を示してました。
元ネタはpython-dev MLに投稿されていますね。
http://mail.python.org/pipermail/python-dev/2004-October/049480.html
会場ではTimのお墨付きもいただいたようなので,今後Pythonに取り込まれることになりそうです。
Lightning Talks

午後はLightning Talksを聞いてました。GoidoとかGoogleのGregさんなんかも聞いていて,またSpeakerもけっこう有名な人が多く,粒ぞろいでおもしろい。

SQLObjectのメンテナでもあるIan Bickingさんのお話。手軽にmetaclassを使いましょう,という内容。

docutil,reStructuredTextのメンテナGoodgerさん。メモがなく,内容忘れた(スイマセン)。
で。
Far far eastのoriental country Japanからlong long way来たYusei TaharaさんのContinuation Passing Style(CPS)をZope上で実装するTalks。 Guidoはいたくcurious about himだったらしく「もっとデモないの?」とつっこみを入れてました。Talksは大成功,Yuseiはguidoにrealでつっこまれたfirst Japanese guyであることは疑いのないところでした。

その後,はやめに切り上げて石本さんお勧めの動物園に行こうかと思っていたのだけど,天気が悪く急遽スミソニアン巡りに変更。V2ロケットとかENIACとか見てきた。あとディファレンシャルエンジンとか。

「Americal History」館では,なにもない開拓時期から産業革命を経て,現在の高度情報化社会に至るまでの工業・社会の発達の過程がまとまっていてすごいと思った。パネルのデザインテイストとかも統一されているんだよね。

さらにその後ペンタゴンシティのショッピングモールに。お目当てはアパクロ。が,サイズがあわず結局買わずじまい。アメリカンサイズのXLなんて着れないよ。
- The URL to Trackback this entry is:
- http://coreblog.org/ats/611/tbping
Re: PyCon DC 2005/3日目
Re: PyCon DC 2005/3日目
>yasusiiさん
Yuseiさんご本人は「もっと英語を勉強するぞ」と闘志を燃やしていましたょ



今回の目玉は IPython と Python at Google かな。
2日目の Durus、3日目の PyLucene と Using Python and Twisted to Write Reliable Peer-To-Peer Programs なんかの状況もできれば知らせてください。
>yasusiiさん
Durusは個人的にも気になっていたので,聞こうと思っています
あと,明日はguidoのキーノートスピーチがあります
Python的に話題の薄い昨今,何を話すのかと個人的に気になっています